Letter

進化:サバンナオオトカゲにおける一方向性の肺気流パターン

Nature 506, 7488 doi: 10.1038/nature12871

鳥類の肺に見られる一方向性の気流パターンは、飛翔の際の酸素要求、吸熱代謝および独自の肺構造に関連した独特で特殊化した形質と長い間考えられてきた。しかし、ワニ類の肺で類似した気流パターンが発見されたことにより、この特徴はおそらく、現生の鳥類およびワニ類に加え、翼竜や恐竜などの絶滅した近縁類を含むグループである主竜類全般の祖先形質であろうと考えられる。鳥類における一方向性の肺気流は、括約筋などの物理的機構ではなく、空気力学的な弁によって生じており、類似した空気力学的な弁はワニ類にも存在しているらしい。鳥類とワニ類の主気管支や二次気管支には解剖学的および発生学的な類似性があることから、これらの構造や肺気流パターンは相同であると考えられる。このパターンの起源は、少なくともワニ類と鳥類が分岐した三畳紀にさかのぼる。あるいは、このパターンの起源はさらに古いかもしれない。この仮説は、鳥類やワニ類の外群に属する鱗竜形類(ムカシトカゲ類、トカゲ類およびヘビ類)の肺気流パターンを調べることで検証できる。本論文では、サバンナオオトカゲ(Varanus exanthematicus)の肺に領域特異的な一方向性の気流が見られることを実証する。サバンナオオトカゲの肺に一方向性の気流が見られることから、2つの進化シナリオ候補が浮かび上がる。つまり、一方向性の肺気流は、主竜類およびオオトカゲに独立して進化したか、あるいはこれらの肺気流パターンは主竜類およびサバンナオオトカゲで相同であり、祖先の双弓類(ヘビ類、トカゲ類、ワニ類および鳥類を含むクレード)で1回だけ進化したかのどちらかである。もし、一方向性の肺気流が双弓類のより原始的形質であるならば、この呼吸の特徴は絶滅した双弓類で再現されるはずであり、また、鳥類の起源の少なくとも1億年前の古生代に、小型の外温性四肢動物で進化した可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度