Article
神経科学:統合失調症におけるまれな破壊的変異の多遺伝子性負荷
Nature 506, 7487 doi: 10.1038/nature12975
統合失調症は原因の複雑な一般的疾患で、おそらく複数の不均質な遺伝的要因が関与していると考えられる。本論文では、2,536例の統合失調症症例と2,543例の対照についてのエキソーム塩基配列解読結果を解析することにより、多くの遺伝子にわたって分布する、まれな(10,000分の1未満)破壊的変異から主に生じる多遺伝子性の負荷を明らかにした。特にこのような変異が豊富に存在する遺伝子セットには、電位依存性カルシウムイオンチャネルおよびシナプス後膜肥厚の足場タンパク質ARC(activity-regulated cytoskeleton-associated)によって形成されるシグナル伝達複合体が含まれている。これらの遺伝子セットはこれまでに全ゲノム関連解析やコピー数多型研究によって統合失調症との関連が示唆されていた。自閉症における報告と同様に、症例で見られる変異には、脆弱X精神遅滞タンパク質(FMRP、FMR1の産物)の標的が多数含まれている。個々の遺伝子を基盤とする検証では、複数の検証について補正した後には有意水準を達成できず、また、我々は、やや低頻度(約0.5~1%)およびやや大きな効果を持つ対立遺伝子は全く検出できなかった。以上よりこれらのデータは、集団を基盤とするエキソーム塩基配列解読はリスク対立遺伝子を発見可能であり、神経精神疾患においてすでに確立されている遺伝子マッピングという研究方法を補完することを示唆している。

