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古生態学:北極の植生および大型動物相の食餌の5万年
Nature 506, 7486 doi: 10.1038/nature12921
北極植物相は、地球上で最も若く多様性も最も低いと一般に考えられているが、その形成過程はほとんど解明されていない。本論文では、周極植物の多様性に関する初の大規模な古代DNAメタバーコーディング研究から明らかになった5万年の北極植生史を示す。また、この期間に関して、植被率および土質をモデル化するための代理指標としての線虫の多様性、および、草食性大型哺乳動物相(多くは約1万年前に絶滅)の食餌も調べた。分析した期間の大部分で、北極の植生は乾燥したステップ-ツンドラからなり、双子葉類草本(非イネ科型の草本性維管束植物)が優占していた。最終氷期極大期(2万5000~1万5000年前)には多様性が大幅に低下したが、依然として双子葉類草本が優占していた。大きな変化があったのは1万年前以降で、木本植物およびイネ科型草本(graminoid)が優占する湿性ツンドラが出現した。この分析結果から、イネ科型草本および双子葉類草本が共に大型動物相の食餌として重要であったと考えられる。従って今回の知見は、第四紀後期の北極ではイネ科型草本が優占したマンモスステップが大部分を占めていたとする現在の認識に疑義を呈するものである。

