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生態:病原体および植食性昆虫が雨林植物の多様性を高め構成を変化させる
Nature 506, 7486 doi: 10.1038/nature12911
熱帯林は生物多様性の重要な貯蔵庫であるが、この多様性を維持する過程はほとんど解明されていない。Janzen–Connell仮説では、植物種が高密度で生育している際には、植食性昆虫や病原性真菌などの特化した天敵が死亡率を上昇させて高い多様性を維持している(負の密度依存性;NDD)と考えられている。NDDは熱帯林に広く認められるが、昆虫や病原体が引き起こすNDDが熱帯の植物多様性維持に群集規模で関与しているという予測は、いまだに検証されていない。本研究では実験により、植物の多様性および種の構成の変化が病原性真菌と植食性昆虫によって引き起こされることを示す。種子から実生への移行では有効な植物種数が増加し、種の構成の大幅な変化と対応していた。種子および若い実生を抗真菌剤で処理すると、実生群集の多様性が有意に低下し、このことはJanzen–Connell仮説と整合する。殺虫剤で植食性昆虫を抑制すると、植物種の多様性は変化しなかったが、実生の加入は大幅に増加し、実生の種の構成に著しい変化が生じた。全体的に見ると、同種の種子の密度が高いと実生の加入は大きく減少し、このNDDは種子としての数が最も多い種で最大だった。真菌を抑制すると、密度が加入に与える負の影響が低下したことから、真菌の多様性増強作用にNDDが関与していることが確認された。今回の研究はJanzen–Connell仮説の総合的な検証であり、熱帯植物群集の構築とその著しい多様性の維持の両方に昆虫および病原体が極めて重要な役割を担っていることを示している。

