植物の進化:被子植物の凍結環境への放散の鍵となった3つの要因
Nature 506, 7486 doi: 10.1038/nature12872
初期の顕花植物類は、温暖な生息地に限定された木本種であったと考えられている。この系統はそれ以来、ほぼあらゆる気候環境へと広がり、多種多様な生育型が生じた。気候が変化するにつれて、広範囲に広まった被子植物は、偶発的な凍結に耐えるための機構を進化させた。我々は、凍結条件下で生存し続ける能力の基盤となる形質の進化について調べるため、生育習性(木本か草本か)、葉の生物季節学的特徴(常緑性か落葉性か)、導管の直径(すなわち、木質の導管か仮導管か)、生育場所の気候(凍結にさらされるか)に関する種レベルの大規模なデータベース(49,064種)をまとめた。種の形質の進化と生育場所の気候をモデル化するために、これらのデータを、陸生植物の前例のない時系列分子系統学データ(32,223種)と組み合わせた。本論文では、木本植物クレードが凍結の起こりやすい環境への進出に成功したのは、小型で安全な導管による輸送ネットワークを作るか、あるいは凍結期間は葉を落として水分輸送機能を停止するか、またはその両方によることを示す。一方、草本植物は主に、低コストで作れる地上組織を老化させることによって、凍結期間を乗り切ってきた。生育習性は変化しやすいと長い間考えられてきたが、生育場所の気候条件よりも生育習性の方が変化しにくいことが分かった。さらに、凍結環境を主に占めているのは、すでに草本化した系統か、木本であってもすでに小型の導管を獲得した系列であった。つまり、この形質は生育場所の気候条件の変化より前に進化したことになる。これに対し、大半の落葉性木本植物系統は、ある季節に限って凍結にさらされてから葉を落とすように進化的に変化した。すなわち、この形質よりも前に生育場所の気候条件が変化したことになる。被子植物が新しい寒冷な環境にすみ着くためには、新しい構造的、機能的形質による解決策を獲得する必要があった。今回の結果は、そうした解決策の多くが、おそらくは寒冷環境への進出以前に獲得されていたことを示している。

