Letter
心理学:科学論文のピア・レビューにおける主観的・客観的意思決定の影響をモデル化する
Nature 506, 7486 doi: 10.1038/nature12786
科学の目的は知識を進歩させることにあり、それは考えを広めることと、他者の考えの支持または批判という2つの相互に関連し合う方法によってなされる。ピア・レビュー(同業者による査読)は、この仕組みの監視役として働く。発表された多くの研究で、その再現性をめぐって懸念が高まっていることを考えると、ピア・レビュー制度は本質的に失敗しやすい制度なのではないか、あるいは、科学者の判断をゆがませるような外因的要因が存在するのではないかという問題を解明することは非常に重要となる。本論文では、科学者の動機が真実の普及を図ることにあるにしても、その行動は、科学者自身の個人的素質よりも同業者の行動から集めた情報によって影響を受けたり、支配までされたりする可能性があることを示す。「群れ行動(herding)」と呼ばれるこの現象は、科学コミュニティを誤った答えへの収束という固有の危険にさらし、ある状況の下では科学が自己修正能を失いかねないという可能性を引き起こす。我々はさらに、査読者の決定における主観性の行使が、群れ行動の過程を抑制するのに役立ち、入手できる情報を検討してより正確に真実性を評価する上で科学コミュニティに貢献できることも示す。研究発表の動的過程とそれによる知識の集積に対する査読者の決定についての多様なモデルの影響を調べることにより、我々はピア・レビュー制度をどのように改善すべきかに関して現在行われている議論に新たな見方を提供する。

