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構造生物学:タンパク質輸送開始時のSecYチャネルの構造

Nature 506, 7486 doi: 10.1038/nature12720

多くの分泌タンパク質は、シグナル配列によってタンパク質透過チャネルへと運ばれる。こうしたチャネルは、原核細胞ではSecY複合体、真核細胞ではSec61複合体によって形成されており、タンパク質は合成中に膜を通過して輸送される。不活性化状態にあるチャネルの結晶構造から、ヘテロ三量体のSecYサブユニットは2つの部分に分かれ、膜の中心部で狭まっている砂時計型の小孔と脂質相に面した側方ゲートとを形成していることが分かった。閉じた状態のチャネルは、細胞質側の漏斗状部分が空で、細胞外の漏斗状部分はプラグ(栓)と呼ばれる小型のヘリックス状ドメインでふさがれている。輸送が開始される際には、リボソームと新生ペプチド鎖の複合体がSecY(あるいはSec61)複合体に結合し、その結果新生鎖がチャネルに挿入される。しかし、輸送に際してチャネルが開口する機構については分かっていない。今回我々は、この疑問に取り組むために、不活性化状態および活性化状態にあるリボソーム・チャネル複合体の構造を低温電子顕微鏡を用いて決定した。古細菌のMethanocaldococcus jannaschiiあるいは大腸菌(Escherichia coli)から得られた、翻訳を行っていないリボソームとSecYチャネルの複合体からは閉鎖状態にあるチャネル構造を明らかにしており、リボソームの結合自体は小さな変化しか引き起こさないことが示された。大腸菌の合成中のリボソームとチャネルの複合体の構造からは、新生ペプチド鎖がチャネルを開き、SecYのアミノ末端側の半分とカルボキシ末端側の半分のほぼ剛体としての動きを引き起こすことが示された。この輸送初期に当たる中間体では、ポリペプチドがループとしてSecYチャネルの中に挿入され、疎水性のシグナル配列が開いた側方ゲートに差し込まれている。新しく合成されたペプチド鎖もSecYの細胞質側表面上でループを形成していて、チャネルに直接に入り込んではいない。

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