Letter

分子生物学:ヒトのトランスクリプトーム全体におけるRNA二次構造の状態と変動

Nature 505, 7485 doi: 10.1038/nature12946

全てのRNA転写産物には、タンパク質合成のための遺伝暗号とともに、RNA構造という形で第2層の情報が書き込まれている。RNA構造は、遺伝子発現プログラムの実質的にあらゆる段階に影響を及ぼす。しかし、ほとんどのRNA構造の性質や塩基配列の差異が構造に及ぼす影響は、まだ解明されていない。本論文では、あるヒト家系の3人(母、父、その子)について、RNA二次構造(RSS)の最初の状態とその変動について報告する。これによって、ヒトのタンパク質コードRNA、非コードRNAの包括的なRSSマップが得られる。我々は、オープンリーディングフレームおよびスプライシング部位の境界を示す独特なRSSシグネチャーを明らかにし、真正のマイクロRNA結合部位を確定した。細胞から単離して除タンパクした天然状態のRNAと、再折りたたみした精製RNAとの比較から、RSS情報の大半はRNA塩基配列中にコードされていることが示唆された。1,900個を超える転写された一塩基変異体(転写された一塩基変異体全体の約15%)が局所的RNA構造を変化させている。我々は、点変異がRSSにどう影響するかを決める塩基配列や間隔の単純な法則を発見した。正確に決まった位置で、構造的に変化を生じない点変異に比べて「riboSNitch(RNA構造を変化させる一塩基変異)」の方が選択的に激減していることは、3′非翻訳領域、マイクロRNAやRNA結合タンパク質の結合部位など、ゲノム全域にわたる何千もの部位で、RNAの特定の形が選択されていることを示唆している。これらの結果から、RNAの構造とその変動が遺伝子調節に広く寄与している可能性が強く示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度