Letter

ウイルス進化:集団規模の塩基配列解読により明らかになったRNAウイルスの変異および適応度の全体像

Nature 505, 7485 doi: 10.1038/nature12861

RNAウイルスは遺伝学的に多様な集団として存在する。ウイルス集団の多様性および遺伝学的構造は、RNAウイルスに見られる迅速な適応、およびそれに起因する病原性を決定すると考えられている。しかし、ウイルス集団の遺伝学的構造を正確に記述できないことで、ウイルス進化の基礎となる機構の解明は進んでいない。次世代塩基配列解読技術により、ウイルス集団の特徴付けを行うのに十分な深度のデータが得られるが、大部分の変異体は非常に低い頻度でしか存在せず、次世代塩基配列解読の誤差と区別できないため、この技術の使用には限界がある。本論文では、次世代塩基配列解読の誤差を減らし、前例のない精度でウイルス集団を記述できる方法を示す。 我々は、この方法を用いてポリオウイルスの変異率を決定し、集団の変異の全体像を明らかにした。さらに、連続継代された集団で変異体頻度の変化を追跡することにより、このウイルスゲノム全体にわたる数千個の変異の適応度の値を決定した。これらの適応度の値をウイルスタンパク質の三次元構造にマッピングすることは、構造機能相関を調べるための強力な手法となり、また新機能の解明につながる可能性を持つ。今回の研究は、進化するRNAウイルスの一塩基適応度の全体像を、我々が知るかぎりで初めて提供するものであり、ウイルス集団の進化の基盤となる遺伝学的変化を研究するための一般的な実験基盤を確立している。

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