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分子生物学:in vivoでのRNA二次構造のゲノム規模プロファイリングによって明らかになった新規な調節特性

Nature 505, 7485 doi: 10.1038/nature12756

RNAの構造は、リガンドの感知から翻訳、ポリアデニル化やスプライシングの調節に至る幅広い過程で重要な役割を果たしている。しかし、in vivo RNA構造に関するゲノム規模のデータが不足していることが制約となって、生細胞でRNA構造が遺伝子発現を調節する仕組みについての解明は進んでいない。今回我々は、in vivoのRNA構造をゲノム規模で調べるハイスループットな解析手法であるstructure-seq法について報告する。この方法では、保護されていないアデニンとシトシンを硫酸ジメチルによりメチル化し、次世代塩基配列解読法によって検出する。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の実生でこの方法を使い、10,000を超える転写産物の定量的構造情報を網羅した、ヌクレオチドレベルの分解能のin vivo RNA構造マップをゲノム規模で作製した。これはあらゆる生物で初めてのものとなる。この解析によって、コード領域に3ヌクレオチドの断続的な反復パターンが存在すること、開始コドンのすぐ上流にそれほど構造化されていない領域があることが明らかになり、これらの特徴と翻訳効率とが強く相関することが分かった。また、選択的ポリアデニル化部位に強い二次構造と弱い二次構造というパターンがあること、5′スプライス部位の強い二次構造が、スプライシングの読み飛ばしに結び付くことも分かった。特に、ストレス応答に関連するとされるメッセンジャーRNA(mRNA)のin vivo構造はコンピューターでの予測がうまくいっていないが、細胞機能維持に関わる遺伝子のmRNA構造はうまく予想されている。これら2つのmRNA群の間で複数の構造特性の全体的比較を行ったところ、ストレス応答に関わるmRNAは一本鎖である部分が多く、最大のループの長さが長く、ヌクレオチド当たりの自由エネルギーが大きいことが分かった。ストレス応答に関わるRNAはこのような特徴があるために環境条件に応じてコンホメーション変化を起こすことができるのかもしれない。structure-seq法は、RNAストラクチュロームとその生物学的役割のゲノム規模での詳細な解析を可能にする方法であり、どのような生物にも応用できると考えられる。

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