Letter
宇宙:恒星質量のブラックホール候補天体4U 1630-47の相対論的ジェットにおけるバリオン物質
Nature 504, 7479 doi: 10.1038/nature12672
降着を受けているブラックホールは、恒星質量の連星系内と銀河中心部の両方で、相対論的なジェットを駆動することが知られている。ジェットによって運ばれた動力と、従ってジェットが周囲にもたらすフィードバックは、ジェットの組成に強く依存する。バリオン成分を含むジェットは、電子–陽電子のジェットより、かなり多くのエネルギーを運ぶはずである。エネルギー的な考察と円偏光の計測から、ジェットにおけるバリオン物質の有無に対して矛盾する状況証拠が得られており、それらが明確に検出されているただ1つの系は特異なX線連星SS 433である。本論文では、より典型的なブラックホール候補であるX線連星4U 1630-47からのドップラー偏移したX線輝線を検出し、これが放射源のジェットからの電波放射の再出現と一致することについて報告する。我々は、これらの輝線が光速の約3分の2の速度で移動するジェット内のバリオン物質から生じ、それによってジェット内のバリオン物質の存在が確定されることを示す。そのようなバリオン物質のジェットは、ブラックホールの自転ではなく降着円盤によってエネルギー供給されている可能性が高く、もしバリオン物質が相対論的な速度に加速され得るなら、ジェットはγ線やニュートリノ放射の強力な放射源となるはずである。

