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細胞:発がん性Nrasは幹細胞に対して2つの方式で影響を与え、持続的に競争力を高める

Nature 504, 7478 doi: 10.1038/nature12830

「前白血病」性の変異は、自己複製と競争力を増大させることにより、造血幹細胞(HSC)のクローン増殖を促すと考えられている。しかし、HSCの増殖を促す変異は、競争力や自己複製能を減少させる傾向があることから、変異したHSCがどのようにして野生型HSCとの競争に持続的に打ち勝つのかという疑問が生じる。NRASの活性化変異は、ヒトの骨髄増殖性新生物および白血病でよく見られる。本研究では、単一の発がん性NrasG12D対立遺伝子が、HSCの増殖を促進するが、放射線照射したマウスでの累代移植において再構成能と自己複製能も高め、これらはいずれも白血病の発生に先立って起こることを示す。またNrasG12Dは、多能性前駆細胞に持続的な自己複製能も付与する。NrasG12DがHSCの増殖と自己複製を促進する機構を調べるために、我々はH2B–GFP標識の保持と5-ブロモデオキシウリジン(BrdU)の取り込みを用いて、細胞周期動態を調べた。NrasG12DはHSCに対して2つの方式で影響を与え、一部のHSCに対しては分裂頻度を増加させるが、他のHSCに対しては分裂頻度を低下させる。これは再構成能に対する2方式の影響を反映しており、まれにしか分裂しないNrasG12D HSCは野生型HSCとの競争に勝ったが、頻繁に分裂するNrasG12D HSCは競争に勝たない。NrasG12Dは、STAT5シグナル伝達を促進することでこれらの効果をもたらし、HSCの異なる部分集団で異なる転写応答を誘導する。従って、1つのシグナルで、HSCでの遺伝子発現、細胞周期、再構成能に対する2方式の影響を介して、HSCの増殖、競争力、自己複製を増加させることができる。

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