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微生物学:ヒストンデアセチラーゼ3は共生細菌に依存する腸内恒常性を調整する

Nature 504, 7478 doi: 10.1038/nature12687

炎症性腸疾患やその他の慢性炎症性疾患の発症やその重症度は、共生細菌由来のシグナルを含む宿主の遺伝的要因や環境要因に影響を受けている可能性がある。しかし、これらの多様なシグナルを統合する機構は、まだよく解明されていない。今回我々は、エピゲノム修飾酵素であるヒストンデアセチラーゼ3を腸管上皮細胞(IEC)特異的に欠失したマウス(HDAC3ΔIECマウス)では、微生物に対する防御に関わる遺伝子の基本的発現レベルが低下するなど、IEC固有の遺伝子発現の調節が大幅に乱れていることを明らかにする。重要な知見として、従来通りの飼育をしたHDAC3ΔIECマウスでは、パネート細胞が失われ、IECの機能が損なわれ、腸内共生細菌の構成が変化することが分かった。さらに、HDAC3ΔIECマウスが有意に腸の損傷や炎症を起こしやすかったことから、上皮細胞でのHDAC3の発現が腸内の恒常性維持に重要な役割を果たしていることが示唆された。HDAC3ΔIECマウスを無菌状態に誘導すると、調節異常状態にあったIEC遺伝子の発現、パネート細胞の恒常性、腸の障壁機能が、共生細菌のいない状態でほぼ回復した。IEC固有のHDAC3発現がこれらの複雑な表現型を調節する際の特異的機構はまだ未解明だが、これらのデータは、HDAC3が共生細菌由来のシグナルを統合し、正常な宿主–共生細菌関係の確立と腸内の恒常性維持に必要な上皮細胞応答を調整する極めて重要な因子であることを示している。

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