Letter
植物科学:タンパク質の品質管理系が植物の防御化合物合成を管理する
Nature 504, 7478 doi: 10.1038/nature12685
ジャスモン酸は広く存在するオキシリピン系植物ホルモンであり、多くの発生、成長、および防御過程の調節に不可欠である。植物界の中でジャスモン酸は、攻撃者に対する防御で働く生物活性二次代謝物産生のエリシターとして作用する。保存されたジャスモン酸知覚および初期シグナル伝達装置に関する知見は増加しているが、防御的代謝を調節する下流の機序はほとんど明らかにされていない。今回我々は、マメ科植物タルウマゴヤシ(Medicago truncatula)を用いることにより、ジャスモン酸が小胞体関連分解(ERAD)品質管理系を動員して、ステロールと生体生成的起源を共有し、広く見られる生物活性化合物であるトリテルペン類のサポニンの産生を管理していることを明らかにする。ERAD型RING膜アンカーE3ユビキチンリガーゼはサポニン合成酵素と共発現し、広く存在するテルペン前駆体イソペンテニル二リン酸供給の律速酵素である3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA還元酵素(HMGR)の活性を制御する。従って、生物活性サポニンの無制限な蓄積が抑制され、植物の成長および健全性が確保される。この制御装置は、HMGRの分解を指示するHMGR degradation 1(HRD1)型のERAD系(酵母および哺乳類でステロール合成を調節するが、用いられるE3ユビキチンリガーゼが異なる)に相当する。このように、ステロールおよびトリテルペンのサポニンの生合成管理の一般的な原理は真核生物全体にわたって保存されているが、それを制御する調節的手がかりは一通りではない。

