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システム生物学:細胞運命決定における記憶とモジュール性
Nature 503, 7477 doi: 10.1038/nature12804
遺伝学的に同一で、環境を共有する細胞でも、著しく異なる表現型を示すことがある。こうしたばらつきについて、偶然に由来するもの、外部からのシグナルに由来するもの、あるいは自律的な表現型プログラムを行使しようとする個々の細胞の試みに由来するものが、それぞれどの程度の割合を占めるのかは不明なことが多い。我々は、一定の条件下で数百世代にわたって枯草菌(Bacillus subtilis)の数千の細胞を継続的に観察することにより、単在で移動可能な状態と、連鎖状となった固定状態のどちらになるかという、確率論的な運命決定について詳しい分析を行った。可動状態は「無記憶性」であり、この状態で過ごす期間については自律的な制御が見られないことが分かった。対照的に、細胞が鎖状につながった状態となってからの期間は厳密に制御されており、多細胞状態にある同族細胞間には協調が課せられることが示された。また、こうした決定を支配している3つのタンパク質からなる調節性回路は、連鎖状態の開始と維持が遺伝学的に分離できる機能であることから、モジュール構造を持つと分かった。この同じ開始経路の刺激はバイオフィルム形成を引き起こすので、外部シグナルの伝播が可能な多細胞性への試行的拘束は自律的なタイミングによって可能になると我々は考えている。

