材料科学:可視光吸収強誘電体および光起電材料用としてのペロブスカイト型酸化物
Nature 503, 7477 doi: 10.1038/nature12622
強誘電体は、光起電デバイス用の、また光吸収を他の機能特性と結びつけるための材料種候補として最近注目を集めている。こうした強誘電体材料では、自発電気分極に起因する反転対称性の強い破れによって、望まれる光励起キャリアの分離が促進され、バンドギャップより高い電圧が達成できる。これにより、従来のpn接合太陽電池で可能な最高効率を超える効率が実現される可能性がある。強誘電体酸化物はまた、幅広い機械的、化学的、熱的条件において安定である上、ゾル–ゲル薄膜堆積法やスパッタリング法などの安価な製造法を用いて作製できる。最近の研究では、強誘電体層の厚さ低減や、ドメイン構造と強誘電体–電極界面の賢明な設計によって、強誘電体吸収材料から集まる電流を大幅に増加させて、電力変換効率を約10−4%から約0.5%に向上させる方法が示された。しかし、強誘電体酸化物のバンドギャップが2.7~4電子ボルトと広く太陽スペクトルの8~20%しか利用できないため、光電変換効率のさらなる向上は妨げられていた。今回我々は、従来の固体法を用いて安価で毒性のない元素から作製した一連の単相酸化物固溶体[KNbO3]1−x [BaNi1/2Nb1/2O3−δ]x(KBNNO)について報告する。これらの酸化物は、強誘電性を示すことに加え、1.1~3.8電子ボルトの範囲で多様な直接バンドギャップを示す。特に、x = 0.1の組成は、室温で極性を示し、1.39電子ボルトの直接バンドギャップと、古典的強誘電体材料(Pb,La)(Zr,Ti)O3の約50倍の光電流密度を示す。また、KBNNOは、現行の強誘電体材料と比べて3~6倍の太陽エネルギーを吸収する能力を持つことから、太陽エネルギー変換などの応用に向けた実現可能な強誘電半導体系電池を得る手段が示唆される。

