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神経科学:SHANK3とIGF1は22q13欠失症候群患者由来のニューロンにおけるシナプス異常を回復させる

Nature 503, 7475 doi: 10.1038/nature12618

フェラン–マクダーミド症候群(PMDS)は複雑な神経発達障害であり、全般的な発育遅延、重度の発語障害、知的障害、および自閉症スペクトラム障害(ASD)のリスク上昇を特徴とする。PMDSは染色体22q13.3の欠失をヘテロ接合で持つことにより生じる。この欠失領域に含まれる遺伝子群の中にはSHANK3があり、この遺伝子はシナプス後肥厚(PSD)に関連するタンパク質をコードしている。SHANK3のまれな複数の変異は、特発性ASDや非症候性知的障害、統合失調症と関連付けられている。SHANK3は、PMDS患者に見られるこうした神経学的異常の原因遺伝子である可能性が最も高いと考えられているが、ヒトのニューロンでこの症候群と関連する細胞レベルや分子レベルの表現型については分かっていない。我々は、PMDSと自閉症の患者から誘導多能性幹(iPS)細胞を作製し、それらを用いて機能的なニューロンを作り出した。そして、PMDSニューロンではSHANK3の発現が減少しており、興奮性のシナプス伝達に大きな異常があるが、抑制性伝達には異常がないことを示す。PMDSニューロンの興奮性シナプス伝達は、SHANK3の発現を復帰させたり、インスリン様増殖因子1(IGF1)でニューロンを処理したりすることで改善可能である。IGF1処理によって、成熟した興奮性シナプスの形成が促進され、これらのシナプスはSHANK3を欠いているが、失活速度の速いPSD95やN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体を含んでいる。今回の結果は、PMDSニューロンでは細胞の興奮と抑制の比率が乱れていることを直接示す証拠となり、その回復のために動員できる分子経路を示している。

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