免疫:podoplaninは血小板CLEC-2と相互作用することにより、高内皮細静脈の完全性を維持する
Nature 502, 7469 doi: 10.1038/nature12501
循環リンパ球は、高内皮細静脈(HEV)と呼ばれる専用の血管を通って免疫監視のために絶えずリンパ節に入り、免疫応答の際にはこの過程が著しく増加する。HEVが、リンパ球の移動を許容しつつ、血管の完全性を維持していく仕組みは解明されていない。今回我々は、膜を貫通しているO結合型糖タンパク質であるpodoplanin(PDPN;別名gp38、あるいはT1α)がHEVの障壁機能の維持に果たしている役割を明らかにした。出生後にPdpn遺伝子を欠失したマウスでは、HEVの完全性が失われ、粘膜リンパ節の自然出血や、免疫後の流入領域末梢リンパ節での出血が見られた。リンパ球のホーミングを阻害すると出血がなくなることから、PDPNはリンパ球が移動する際のHEV障壁機能の保護に必要だと考えられる。さらなる分析から、HEVを囲む繊維芽細胞性細網細胞で発現されているPDPNが、血小板のCLEC-2(C-type lectin-like receptor 2、別名CLEC1B)の活性化リガンドとして機能することが明らかになった。繊維芽細胞性細網細胞のPDPNが欠失したマウスや、血小板CLEC-2を持たないマウスでは、血管全体の完全性に不可欠なVEカドヘリン(CDH5とも呼ばれる)のHEV上での量が著しく減少していた。Clec-2欠失マウスに野生型血小板を注入すると、HEVの完全性が回復した。ex vivoでは、CLEC-2が活性化されると血小板からのスフィンゴシン 1-リン酸の放出が引き起こされ、これがHEVでのVEカドヘリンの発現を促進することが示された。さらに、スフィンゴシン1-リン酸を欠失した免疫化マウスの流入領域末梢リンパ節では、Pdpn欠失マウス、Clec-2欠失マウスの場合と同様にHEVの完全性が損なわれた。これらのデータは、PDPN–CLEC-2を介した血小板活性化後にスフィンゴシン1-リン酸が局所的に放出されることが、免疫応答中のHEVの完全性に不可欠であることを実証している。

