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進化:単一遺伝子座に生じる生活史的なトレードオフが、性選択を受ける形質の遺伝的変動を維持する

Nature 502, 7469 doi: 10.1038/nature12489

雄同士の競争や雌の配偶者選択による性選択は、野生生物に見られる強力で持続的な定方向選択の発生源の1つだと考えられている。そうした強力な定方向選択の存在下では、特定の形質を増強させる対立遺伝子が集団内に定着し、そこに内在する遺伝的変動は縮小すると予想されている。しかし、野生集団では性選択を受ける形質に関わる遺伝的変動がかなり大きい場合が多く、そのため、この現象は進化生物学の領域で長い間論争の種となっている。野生のソアイヒツジでは、大きな角が激しい同性間競争での優位性をもたらすが、雄の角の型には遺伝性の多型が見られ、角の大きさにはかなりの遺伝的変動がある。今回我々は、この形質の遺伝的変動の大部分が、RXFP2(relaxin-like receptor 2)という単一遺伝子における自然選択と性選択の間のトレードオフによって維持されていることを示す。角を大型化させる対立遺伝子Ho+は高い繁殖成功度と関連しているが、小型の角をもたらす対立遺伝子HoPは生存率を高めるため、結果的にRXFP2において、適応度に対する正味の影響として超優性(つまりヘテロ接合体の優位性)が生じていることが分かった。このトレードオフの性質は、性選択を受ける形質の維持の説明として広く提唱されている遺伝子獲得(genic capture;「優良遺伝子」)や性的拮抗選択(sexually antagonistic selection)などと比べて単純である。今回の結果は、形質の変動の遺伝的構造を明らかにすることで、強い選択下にある形質の遺伝的変動を維持する主要な機序を突き止めることができ、一見して進化に反するような観察結果の説明が可能になることを示している。

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