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免疫:ヒトモノクローナル抗体による4種類のパラミクソウイルスの交差中和

Nature 501, 7467 doi: 10.1038/nature12442

広域中和抗体は同一種のウイルスの大半、場合によっては全ての変異株に反応する抗体で、インフルエンザウイルスとHIV-1に対するものが報告されている。しかし、中和抗体が異なる種のウイルスを標的にするほどの広域性を持ち得るかどうかは、まだ明らかになっていない。ヒトRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス;HRSV)とヒトメタニューモウイルス(HMPV)は広く見られる病原体で、早産新生児、小児入院患者、免疫不全患者で重篤な病気を引き起こし、喘息の悪化にも関わっている。HRSV、あるいはHMPVに対して生じた抗血清では交差中和が見られないが、これらのウイルスに繰り返し曝露することで、一部の患者には交差中和抗体が選択される可能性があると我々は考えた。本論文では、HRSVとHMPVを強力に交差中和するのに加えて、ウシRSV(BRSV)とマウス肺炎ウイルス(PVM)という2種類の動物パラミクソウイルスにも作用するヒトモノクローナル抗体(MPE8)について報告する。生殖系列での構造ではMPE8はHRSV特異的であり、その広域性は軽鎖可変領域に起こった体細胞変異によって生じる。MPE8では抗体の標的となることを免れたウイルス・エスケープ変異体の選択が起こらず、HRSV感染とHMPV感染の動物モデルで強力な予防効果を示し、またヒト症例により近い致死的PVM感染のモデルでも予防効果と治療効果が見られた。MPE8のコアエピトープは、融合前のウイルスFタンパク質の高度に保存された2本の逆平行β鎖に位置しており、このβ鎖は融合後のFタンパク質のコンホメーションでは再編成されている。単離されているHRSV特異的中和抗体30種類のうち26種類は、融合前のFタンパク質に特異的であることが分かった。まとめるとこれらの結果は、MPE8は重篤なHRSV感染やHMPV感染の予防や治療に使用できる可能性があり、また融合前のFタンパク質が、HRSVワクチン候補になることも明らかにしている。

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