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気候:中新世後期の二酸化炭素の制約に対する海洋性藻類の閾値応答

Nature 500, 7464 doi: 10.1038/nature12448

円石藻は海洋性藻類であり、石灰化と光合成に炭素を利用する。新生代に起こった二酸化炭素濃度の低下に対して、円石藻や他の海洋性藻類が長期的に適応した結果、光合成を行う部位の二酸化炭素を能動的に増加させる能力を持つ現生藻類が出現した。この二酸化炭素の濃縮は、溶存している炭酸水素イオン(HCO3)の輸送を介して起こり、これには、培養細胞では水中二酸化炭素濃度([CO2])の変化によって発現の調節が可能な酵素が関与している。円石藻の方解石からなる鱗片(円石)の炭素および酸素の安定同位体組成は化石記録中に保存されており、細胞による炭素の能動的な取り込みや輸送に影響を受けやすい。それゆえ円石藻には、この二酸化炭素濃度低下に対する適応の地質学的歴史が保存されている。今回我々は、細胞の炭素フラックスモデルを使って、低[CO2]では、光合成部位でHCO3要求量が増加して、石灰化へのHCO3割当量が減少し、大型の細胞でそれが顕著であることを明らかにする。このため、低[CO2]の場合にのみ、小型の円石と大型の円石の間に炭素同位体組成の大きな乖離が生じる。大きさで分けた化石円石の酸素および炭素同位体記録の分析から、同位体組成のこうした乖離が最初に生じたのが中新世後期から鮮新世初頭(約700〜500万年前)であることが明らかになった。我々はこれを、[CO2]の低下に対する細胞の炭素獲得戦略の閾値応答(threshold response)だと解釈した。明らかになった円石藻の応答は、800〜500万年前に起こった陸上植生分布の全球的な変化と同時に発生しており、いくつかの研究によって、この植生分布変化は大気中の二酸化炭素分圧(pCO2の低下に対する植物相の応答だと解釈されている。我々は、この期間中の二酸化炭素濃度に地球規模の低下があり、それは乏しいpCO2代理指標記録からはまだ見つかっていないが、全球的な寒冷化や氷河作用の進行と同時期に起こったと推測する。

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