生態:生態系相利共生ネットワークの構造特性および動態特性の出現
Nature 500, 7463 doi: 10.1038/nature12438
相利共生ネットワークは、2種類の生物種間の相互作用が双方にとって有益である場合に形成される。この種のネットワークは、進化によって形作られた協力関係の重要な例である。動物と植物間の相利共生は、生態群集の組織化に重要な役割を担っている。生態系でのこのようなネットワークは、種の組成や緯度とは独立に入れ子構造を広く進化させてきた。つまり、ごく少数の相利共生の関係しか有していないスペシャリストの種は、より広く相互作用するジェネラリストのいずれかを相手にする多くの相利共生パートナーからなる真部分集合と相互作用する傾向にある。これまで観察されたネットワーク構造を、群集レベルの安定性や持続性に基づいて説明しようと努力が続けられてきたが、そうした相関研究で得られた意見の一致はごくわずかである。今回我々は、入れ子構造の相互作用ネットワークが、相利共生群集内で種の個体数の最大化を図る最適化原則の結果として生じる可能性があることを示す。解析的および数値的手法を用いることにより、相利共生の相互作用が原因で、ある生物種の個体数が増加するとその群集内の全個体数が対応して増加し、相互作用マトリックスの入れ子構造も増えることが明らかになった。実際に種の個体数の多さと相互作用マトリックスの入れ子構造とは、相利共生的な相互作用の強さに依存する1つの因子により相関している。入れ子構造、および観察されるジェネラリスト種とスペシャリスト種の自然発生は、定常条件下で変分原理を動的に実装させることによって生じる。最適化したネットワークは、安定状態のままであったが、ランダムに相互作用を振り分けたネットワークに比べて回復力が劣る傾向にある。特に、最も希少な種の個体数が群集の復元力に直接関連していることが解析から明らかになる。この研究は、生態系相利共生ネットワークの創発的な構造特性および動態特性を研究するための統一的枠組みを提供している。

