Letter

考古学:土器の使用法を裏付ける最古の証拠

Nature 496, 7445 doi: 10.1038/nature12109

土器は狩猟採集民の発明品であり、2万〜1万2000年前(較正年代)に東アジアで最初に出現した。この期間は後期更新世が終末に向かう時期で、当時の人類は変化する気候や新しい環境に適応しようとしていた。土器の技術は氷河期後期の適応の1つであり、世界のさまざまな地域でその後に生じた文化的軌跡の形成に重要な役割を果たしたが、なぜそれらの技術が出現し、広く受け入れられたのかに関しては、あまり解明されていない。最初の土器は先史時代の狩猟採集民に新しい魅力的な食品加工法および消費法をもたらしたはずだが、初期の土器がどのように使用されたのかに関しては、ほとんど何も知られていない。本研究では、世界的に最も研究が進んでいる先史時代土器文化の1つである、日本の縄文土器に着目し、後期更新世の土器に付着している食物残渣の化学分析を行った。そして、これまでに分析された最古の土器である約1万5000〜1万1800年前(較正年代;縄文時代草創期)の土器の表面の炭化付着物から高い精度で脂質を回収し、多くの場合、その有機物が明らかに淡水産および海産生物の加工によるものであることが示された。安定同位体データはその脂質分析の結果を裏付けており、分析した炭化付着物101点(列島各地に由来)の多くが食物連鎖の上位に属する水生生物のものであることを示唆している。氷河期後期の人々は食料を求めて生産力のある水辺エコトーン(移行帯)を最大限に利用し、おそらくそのことが土器技術へ労力を注ぐための最初の推進力となり、完新世初期の狩猟採集民による土器使用の一層の進展に道を開いたと考えられる。今回、世界最古級の土器に由来する有機物残渣の分析が可能だと示されたことで、これ以降の狩猟採集民の土器のさらに広範囲にわたる調査によって、このきわめて重要な技術のその後の発展を明らかにできるだろう。

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