Letter
生態:海洋堆積物中で優占的な古細菌はデトリタス中のタンパク質を分解する
Nature 496, 7444 doi: 10.1038/nature12033
地球の海洋の微生物細胞の半分は堆積物中に見いだされ、それらの細胞の多くは古細菌に属する。古細菌は単細胞原核生物からなり、生物分類上のドメインの1つとして細菌および真核生物から区別される。しかし、こうした古細菌の大半はこれまで培養された例がなく、その生理学的特性や系統樹上の位置付けは不明なままである。今回我々は、未培養の混合クレンアーキオータ群(miscellaneous crenarchaeotal group;MCG)および海洋底生群D(marine benthic group-D;MBG-D)が海底下に最も多く存在する古細菌の一部であることを明らかにした。MCGの1細胞およびMBG-Dの3細胞について、単一細胞ゲノム配列解読を行った結果、MCGは古細菌タウムアーキオータ門(Thaumarchaeota)およびアイグアーキオータ門(Aigarchaeota)の、MBG-Dはテルモプラズマ目(Thermoplasmatales)の原始的な新しい分枝をそれぞれ形成することが示された。この4細胞すべてのゲノムには、ギンギパインやクロストリパインなどの細胞外タンパク質分解酵素がコードされていた。これらの酵素は、海洋堆積物と化学的に類似した環境で働くことが知られている。さらに、この2種類のペプチダーゼは海洋堆積物中に豊富に存在し、そこで活性を示すことが明らかになった。このことから、未培養古細菌は、無酸素状態にある海洋堆積物中のタンパク質の再無機化に未知の役割を担っている可能性がある。

