Letter
気候:過去600年間に先例のない、北半球高緯度域における近年の極端な気温
Nature 496, 7444 doi: 10.1038/nature11969
北半球高緯度域における近年観測された極端な気温は明らかにまれなもので、そのような極端事象の頻度がどのように変化していくかを評価するには、気候の代理指標から得られる、より長い期間のデータが重要になる。以前に再構築された過去の気温変動では、近年の温暖化は過去の数百年間、もしくは数千年間と比べて異例であることが実証されているが、起こりうる気温履歴アンサンブルを与える空間的に分解した手法を用いれば、極端事象をより詳しく評価できる。本論文では、測定記録や年輪、氷床コア、湖の堆積物の記録の階層的ベイズ解析を用いて、北半球の高緯度における近年の極端な高温の大きさと頻度は、過去600年間に先例のないものであったことを示す。空間平均で見ると、2005年、 2007年、 2010年、 2011年の夏は、1400年までさかのぼるどの年よりも暖かかった(確率P > 0.95)。2010年の夏はロシア西部で、過去600年間で最も暖かく(P > 0.99)、グリーンランド西部とカナダ北極域においても、おそらく同様であった(P > 0.90)。これらとその他の近年の極端な高温は、定常的な気候からの予想を大きく超えているが、平均気温の上昇に関わる一定の時空間変動に起因すると理解できる。

