Article
遺伝:条虫類4種のゲノムから明らかになった寄生への適応
Nature 496, 7443 doi: 10.1038/nature12031
条虫類(サナダムシ類)は、薬剤の有効性が低いため、場合によっては致死的で治療も困難な、顧みられない病気(neglected disease)を引き起こす。今回我々は、ヒト感染種である多包条虫(Echinococcus multilocularis)、単包条虫(E. granulosus)、有鉤条虫(Taenia solium)、および実験室モデルとして使われるHymenolepis microstomaを代表例として用い、条虫類のゲノム塩基配列の解析を行った。それらの115〜141メガ塩基のゲノムからは、寄生の進化を解明する手がかりが得られた。遠縁の住血吸虫類とのシンテニーは維持されているが、34種類のホメオボックスファミリーや複数の幹細胞運命決定因子など、他の動物では広く認められる遺伝子および経路が非常に多く消失していることがわかった。条虫類には、特殊化した解毒経路、宿主から捕集した栄養に依存するために微調整された代謝、ならびに、非標準的な熱ショックタンパク質および既知の抗原ファミリーの種特異的な拡大が認められた。我々は新たな薬剤標的候補を見つけたが、その中には既存の薬剤が作用しそうなものがいくつか含まれている。これらのゲノムは、緊急に必要とされている治療および防除の開発を支えるための優れた情報源となる。

