ナノテクノロジー:シリコンナノワイヤーへの触媒原子の大量注入
Nature 496, 7443 doi: 10.1038/nature11999
ナノワイヤーは、成長中に気相から不純物を取り込むことによってその基本特性が大きく変わるため、こうしたプロセスは、多種多様な新しいナノテクノロジー分野できわめて重要である。特に、III族とV族のドーパントの挙動を精密に制御することは、シリコン(Si)ナノワイヤー系デバイスの開発では非常に重要なステップである。最近、通常用いられる金の代わりにアルミニウム(Al)を成長触媒として使用しても効果的なp型ドーピングが実現されるため、Siナノワイヤーを機能化する新しく効率のよい経路が得られることが実証された。この自己ドーピングは、技術的意義に加えて、触媒からAlが分離して成長中のナノワイヤーに注入されることを意味しており、触媒によるナノワイヤー作製の根本的理解に重要な原子スケールの過程が関与している。今回我々は、高集束紫外レーザーアシスト原子プローブ・トモグラフィーを用いて、Alに触媒される1本1本のSiナノワイヤーを原子ごとに三次元マッピングすることによって、この触媒溶解という現象を原子レベルで定量的に研究したことを報告する。観測されたナノワイヤーへの触媒原子の取り込みは、平衡固溶度や、既知の非平衡過程における固溶体濃度より桁違いに高いが、Al不純物がナノワイヤー中で均一に分布しており、析出物やクラスターを形成していないことが明らかになった。この動力学的に駆動される大量注入は、電気的特性に及ぼすと予想される影響の他に、ナノワイヤーの形態にも直接的影響を及ぼす。我々は、観測された平衡からの強いずれを、ステップ端における溶質捕捉のモデルを用いて考察し、この現象に関与する主な成長パラメーターをナノワイヤーのステップフロー成長の動力学モデルに基づいて特定している。この現象を制御できれば、金属に触媒されるナノワイヤーの形状や組成を精密に調整することにより新種のナノスケールデバイスを開発する機会が得られる。

