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生理:BMPシグナル伝達障害による褐色脂肪の不足は白色脂肪の補償的な褐色化を引き起こす
Nature 495, 7441 doi: 10.1038/nature11943
体温維持は恒温動物の生存に必須である。褐色脂肪組織(BAT)は体温調節専用に特殊化した組織である。貯蔵エネルギーの消散能がきわめて高く、ヒト成人でも存在が示されているため、BATは肥満やメタボリックシンドロームの治療に非常に有望である。齧歯類でのデータから、褐色脂肪細胞には2種類あることが示唆されている。構成的BAT(cBAT)は胚由来で、解剖学的にはマウスの肩甲骨間部にある。補充可能なBAT(recruitable BAT; rBAT)は白色脂肪組織(WAT)や骨格筋中に存在し、ベージュBAT、ブライトBAT、誘導型BATなどとも呼ばれる。骨形成タンパク質(BMP)群が、BATの形成と発熱活性を調節している。本研究ではマウスモデルを用い、全身性の活発な調節機構が、体温調節およびエネルギー恒常性に対する全身的なBATの活性を制御している証拠を示す。褐色脂肪前駆細胞で1A型BMP受容体(Bmpr1a)を遺伝学的に欠失させると、cBATが著しく減少した。これにより、WATへの交感神経からの入力が増加し、その結果、貯蔵白色脂肪内でのrBATの形成が促進された。これまで知られていなかったこの補償機構は、体内での褐色脂肪を介した発熱能力全体を回復するためのものであり、正常な体温恒常性や食餌誘導性肥満への抵抗性を維持するのに十分である。以上の結果は、構成的褐色脂肪細胞と補充可能な褐色脂肪細胞の間に重要な生理的クロストークがあることを示唆している。この巧妙な体温調節機構は、エネルギーバランスの制御および代謝病に関わっている可能性がある。

