細胞生物学:オートファゴソームは小胞体とミトコンドリアの接触部位で形成される
Nature 495, 7441 doi: 10.1038/nature11910
オートファジーは、厳密に制御された細胞内のバルク分解/再利用系で、細胞の恒常性維持に重要な役割を担っている。オートファジーは隔離膜の形成によって始まり、これが細胞質や細胞小器官の一部を包み込みながら伸長する。最後に隔離膜が閉じて二重膜に囲まれたオートファゴソームが形成され、リソソームと融合すると包み込まれていた内容物が分解される。オートファジーが発見されて以来、その生理的役割の解明は大きく進んだが、オートファゴソーム膜の起源は不明のままだった。現在、オートファゴソームの膜がどこから生じるかについて、小胞体、ミトコンドリア、細胞膜などが提唱され議論が分かれている。今回我々は、哺乳類細胞ではオートファゴソームが小胞体とミトコンドリアの接触部位で形成されることを明らかにした。イメージング解析により、オートファゴソーム前駆体/オートファゴソームのマーカーであるATG14(ATG14Lとも呼ばれる)が、飢餓によりオートファジーを誘導すると小胞体–ミトコンドリア接触部位に移動することと、オートファゴソーム形成のマーカーであるATG5も、形成が完了するまでその部位に局在することが判明した。飢餓条件下で細胞成分の分画を行うと、ATG14は、ミトコンドリアに結合した小胞体膜と同一の分画にくることがわかった。小胞体–ミトコンドリア接触部位を破壊すると、ATG14顆粒の形成が阻害される。小胞体に存在するSNAREタンパク質シンタキシン17(STX17)はATG14に結合して、これを小胞体–ミトコンドリア接触部位へと誘導する。これらの結果によって、オートファゴソームの形成に小胞体–ミトコンドリア接触部位が重要なことが実証され、細胞小器官の生成についての新しい手がかりが得られた。

