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生態:水文気候学的な条件が大規模に変化しても維持される生態系の回復力

Nature 494, 7437 doi: 10.1038/nature11836

気候変動は干ばつの頻度と持続時間の両方を増大させると予測されており、大々的な温暖化と結びつければ、多くの地域を対象とする新しい水文気候学的モデルを確立することが可能になるだろう。近年、北米、アフリカ、ヨーロッパ、アマゾン地方、オーストラリアにおいて、高温を伴う大規模な干ばつが発生し、陸上生態系、炭素収支および食糧確保に大きな影響を与えている。今回我々は、20世紀後半(1975〜1998年)の対照的な水文気候学的期間と、21世紀初頭(2000〜2009年)のより乾燥して気温の高い状況に対する、南北両半球での地上の純一次生産の機能的な応答を比較した。そして、草原から森林までのバイオーム全体に共通する、生態系の水利用効率(WUEe:地上の純一次生産量/蒸発散量)が見いだされた。このことは、さまざまな降水形態での水の利用可能性に対する感応性が系に内在しており、そこに水文気候学的な条件は関係しないことを示唆している。乾燥した年ほどWUEeは高くなり、干ばつに伴って全バイオームでWUEeは最大値まで大きく上昇した。また、より湿潤な年ではWUEeが最小の固有状態となり、この状態はすべての水文気候的期間にわたって共通であった。このことは、21世紀初頭の干ばつに関連した年々変動に対するバイオーム規模の回復力、すなわち、少ない年降水量に耐えてその後の好ましい水収支の期間に応答できる能力の存在を示している。これらの知見から、今世紀後半に起こると予測されている水文気候学的条件の広範な変化に適用可能な、生態系の性質を10年規模でとらえる概念モデルが得られる。生態系の回復力を損なって最大WUEeを変化させるような水文気候学上の閾値を解明することで、広範な地域がより乾燥するようになったときに、水が限られた生産力の低い草原から開始される地表への影響の結果を予測することが可能になるだろう。

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