Letter

細胞:インスリン抵抗性と代謝異常にE3ユビキチンリガーゼMG53が担う重要な役割

Nature 494, 7437 doi: 10.1038/nature11834

インスリン抵抗性は、肥満や2型糖尿病などの多様な代謝異常で見られる基本的な発病要因である。骨格筋は、インスリンが刺激するグルコース消失の70〜90%を引き起こすが、筋でのインスリン抵抗性の基盤となる機構はほとんど解明されていない。我々は、マウスでは筋特異的ミツグミン53(MG53、別名TRIM72)が、インスリン受容体およびインスリン受容体基質1(IRS1)の分解を仲介すること、またMG53の発現が上昇すると、インスリン抵抗性、肥満、高血圧および脂質異常症を特徴とするメタボリックシンドロームが引き起こされることを示す。MG53発現はインスリン抵抗性のモデルで顕著に上昇しており、MG53の過剰発現はそれだけで、筋でのインスリン抵抗性やそれに続くメタボリックシンドロームを引き起こすことができる。逆に、MG53を除去すると、インスリン受容体、IRS1およびインスリンシグナル伝達の完全性が保持されることで、食餌誘発性のメタボリックシンドロームが防止される。反応機構は、MG53がE3リガーゼとして働いて、インスリン受容体およびIRS1をユビキチン依存性分解の標的とするというもので、これが骨格筋でのインスリンシグナルの強度を制御する中心的な機構となっている。これらの知見は、MG53が代謝異常やそれに関連する心血管合併症治療の新規な治療標的となることを明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度