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環境:河川の有機炭素流量から明らかになった森林破壊を受けた熱帯泥炭地帯の深刻な不安定性

Nature 493, 7434 doi: 10.1038/nature11818

熱帯の泥炭地帯には、最大級の陸上有機炭素プールが存在し、その量は約89,000テラグラムに上る(1テラグラムは10億 kg)。この貯蔵炭素の約65%はインドネシアに存在するが、同国では、森林伐採、排水、火事という形での大規模な人為的劣化により、地球規模の大気中二酸化炭素排出源に変化している。今回我々は、原生泥炭湿地林と過去に人為的撹乱を受けた泥炭湿地林の双方から河川によって毎年排出される有機炭素を定量した。その結果、撹乱を受けた泥炭湿地林からの総河川有機炭素流量は、原生泥炭湿地林からの総河川有機炭素流量より約50%多いことが明らかにされた。溶存有機炭素(全有機炭素の91%以上を構成する)の炭素14年代測定により、原生泥炭湿地林からの溶存有機炭素の浸出は、主として最近の一次生産(植物の生長)に由来することがわかった。対照的に、撹乱を受けた泥炭湿地林からの溶存有機炭素の大部分は、泥炭柱の深部に由来するはるかに古い(数百〜数千年前の)炭素からなっている。無視される場合が多い河川炭素損失の項を泥炭地帯の炭素収支に含めると、撹乱を受けた泥炭地帯から失われる総炭素量の本研究での見積もりが22%増加することがわかった。さらに、1990年以降、泥炭地帯の撹乱により、東南アジアの河川有機炭素流量は32%増加したと見積もられた。これは、ヨーロッパ全体の泥炭地帯から毎年流出する全河川有機炭素の半分以上に相当する増加である。今回の知見は、熱帯泥炭地帯の炭素収支に対する森林伐採と排水の影響の見積もりを改善するために河川炭素損失を定量する必要があることを強調している。

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