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細胞:ヒト卵母細胞の核ゲノム移植によるミトコンドリアDNA変異の除去
Nature 493, 7434 doi: 10.1038/nature11800
卵母細胞の細胞質内にある母親由来のミトコンドリアDNAの変異は、致死性疾患を引き起こす場合が多い。今回我々は、ミトコンドリア変異の遺伝を防止するため、2人のドナーの未受精卵母細胞間で核ゲノム移植を行うことを検討した。組み立てが不完全な状態の紡錘体–染色体複合体を移植して、卵母細胞の自発的活性化を回避した場合には、核ゲノム移植によって胚盤胞期への発生効率は低下せず、また、ゲノムの完全性は維持されていた。核ゲノムの移植に伴って持ち込まれたミトコンドリアDNAは、最初は1%を下回るレベルで検出されたが、胚盤胞および幹細胞株では検出できないレベルにまで低下し、このレベルは、1年以上の継代培養、クローン性増殖、ニューロンや心筋細胞、β-細胞への分化後、そして細胞の再プログラム化後も維持されていた。また、幹細胞および分化した細胞では、ミトコンドリアの呼吸鎖酵素活性や酸素消費率が対照細胞と変わらなかった。これらの結果は、核ゲノム移植によってヒトのミトコンドリア異常の遺伝を防止できることを実証している。

