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細胞:遺伝性ミトコンドリア病の生殖系列遺伝子治療に向けて

Nature 493, 7434 doi: 10.1038/nature11647

ミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異はヒトの重篤な疾患と関連し、卵の細胞質を通じて母性遺伝する。本研究では、紡錘体移植(spindle transfer;ST、紡錘体–染色体複合体移植とも呼ばれる)によってヒト卵母細胞のmtDNAを置換することの実現可能性について検討した。研究用に提供された106個のヒト卵母細胞のうち、65個で相互にSTを行い、33個を対照群とした。STを行った卵母細胞の受精率(73%)は対照群の受精率(75%)と同程度であったが、ST受精卵のうちかなりの割合(52%)が、前核の数の異常によって診断される異常受精を示した。正常に受精したST受精卵において、胚盤胞までの発生率(62%)と胚性幹細胞の樹立率(38%)はそれぞれ対照群のものと同程度だった。ST受精卵に由来するすべての胚性幹細胞株は、正倍数性の正常な核型を示し、ドナーのmtDNAのみを含んでいた。このように、ヒト卵母細胞でmtDNAを効率的に置換することは可能である。ST卵母細胞の中には異常受精を示すものもあったが、ほかの胚は対照群と同様に胚盤胞へ発生可能で、胚性幹細胞を作り出すことができた。

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