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生態:乾燥に対する森林の脆弱性に見られる大域的収束性
Nature 491, 7426 doi: 10.1038/nature11688
気候変動に伴う降水パターンの変化および気温の上昇は、乾燥の長期化や深刻化が予測されている地域に広汎な森林衰退を引き起こす可能性がある。乾燥時の生産力低下や植物枯死の主な原因の1つは、静水圧の不足である。乾燥ストレスは水輸送系にガス塞栓の滞留を発生させ、植物が光合成によるガス交換のために水を葉に供給する能力を低下させ、究極的には脱水および枯死に至る場合もある。多くの実験が個別的に行われているが、現時点では、静水圧不足の閾値が広範な種および環境においてどのように異なっているのかに関して、明確な全体像が得られていない。今回我々は、気候変動が森林のバイオームに与えると考えられる影響を検討する目的で、多数の木本種について、乾燥が誘発する塞栓症に対する水輸送系の脆弱性に関する公表済みおよび未公表のデータを収集して統合した。それにより、世界81か所の226森林種のうち70%は、有害なレベルの乾燥ストレスに対して狭い静水圧の安全域( < 1メガパスカル)で活動するため、世界の多くの地域で気温および乾燥度が予測どおりに上昇すると、生産力および生存率の長期的な低下に直面するおそれがあることが明らかになった。安全域は平均年間降水量とおおむね無関係であることから、乾燥に対する森林の脆弱性には大域的収束性があって、降雨環境下に現在あるかどうかにかかわらず、すべての森林バイオームが静水圧不足に対して等しく脆弱であることがわかる。これらの知見は、乾燥が誘発する森林衰退が、乾燥地域のみならず、乾燥のリスクがないと通常考えられている多雨林でも発生している理由を解明する手がかりとなる。

