Letter

脳:霊長類内側嗅皮質にある視覚空間地図

Nature 491, 7426 doi: 10.1038/nature11587

場所に依存して変調する海馬体ニューロンの活動は、記憶の形成や想起の際に、文脈情報を組織化するための手段となっている。空間表現の特徴的な一例はグリッド細胞のもので、ラットとコウモリの内側嗅皮質(EC)で観察されているが、霊長類では単一ユニットとしては報告されていない。今回、頭を固定したサルのECで、自由視条件下で視覚記憶課題を遂行中の空間表現を検討した。サルに多数の複雑図形を連続的に見せ、それぞれのイメージにおいて視野中の複数の異なる場所を注視したときに活動電位を発する個々のニューロンを同定した。これらの発火領域には、空間自己相関でよく知られた六角構造に対応する三角形のタイル敷き詰めと類似の空間周期性が見られた。また、これらのニューロンはシータ帯域の振動活動を示し、嗅脳溝からの距離に応じて空間スケールが変わる。この性質はげっ歯類で以前に明らかにされた性質と同じである。こうした空間表現は、複雑な視覚情景の中で刺激内容の符号化を定めるための枠組みを提供している可能性がある。総合して、今回の結果は、霊長類でのグリッド細胞の存在を直接示すもので、ECニューロンが、視覚探索の際に動物の移動を伴わなくとも空間の符号化を行っていることを示唆している。

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