進化:鳥類の全球レベルでの空間的および時間的な多様性
Nature 491, 7424 doi: 10.1038/nature11631
現在の生物多様性の全球的パターンは、空間および時間の両方にわたって働く諸過程に起因するものであり、したがって、マクロ生態学とマクロ進化学との統合的な視点が必要である。分子系統樹によって多様化の速度および様式に関する理解が進み、顕著な適応放散が生命系統樹の全体にわたって見いだされている。しかし、系統学的および地理的なサンプリング統合が不完全であるために、広範囲の推論は進展していない。そのため、急速な放散の相対的な広がりや、それらの地理的設定が全球的な生物多様性パターンの形成に対して持つ重要性は、今もって明らかでない。今回我々は、幅広く研究されて独特の適応が多数認められている生物群である鳥類の全9,993現生種に関して、年代が明示された初の完全な系統発生を明らかにし、それを分析して地図を作成した。それにより、鳥類では、約5000万年前からごく最近に至るまでの間に多様化が大幅に加速したことがわかった。この加速は、鳴禽類と、そのほかの主として温帯の新しい放散(水鳥、カモメ類およびキツツキ類など)の両方で、多様化速度の大幅な上昇が多数起こったことによっている。過去の多様化速度がきわめて高いという特徴を持った種が、鳥類系統樹の全体にわたって、また地理的空間の全域に広く散らばって存在していることは重要である。地理的に、多様化速度の大きな差異は、緯度ではなく東西半球レベルで見られ、アジア、北米、および南米南部の鳥類群では、最近の急速な放散によって種数が不釣り合いに多くなっている。急速に放散する系統が、時間的な多様化動態と空間的な種多様性分布の双方に寄与していることは、地理と分類学を包括した観点の有益性を示している。全体として、構成する分岐群が減速を示す可能性はあるものの、現生鳥類が白亜紀以降に多様化してきた適応帯には、まだ多様化の機会があると考えられる。

