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医学:膵臓がんのゲノムが示す軸索誘導経路遺伝子の異常

Nature 491, 7424 doi: 10.1038/nature11547

膵臓がんは致死性の高い悪性腫瘍であり、効果的な治療法がほとんどない。我々は、初期(ステージIとII)の散発性膵管腺がんの前向き臨床コホート(n = 142)についてエキソーム塩基配列解読とコピー数解析を行い、ゲノム異常を明らかにした。そのうち情報価値のある99個の腫瘍を詳細に解析し、2,016個の非サイレント変異と1,628か所のコピー数多型を伴う大きな不均一性を明らかにした。有意に変異していた16個の遺伝子を確定し、既知の変異(KRASTP53CDKN2ASMAD4MLL3TGFBR2ARID1AおよびSF3B1)を再確認し、加えてクロマチン修飾(EPC1およびARID2)、DNA損傷修復(ATM)、ほかの機構(ZIM2MAP2K4NALCNSLC16A4およびMAGEA6)に関与する遺伝子などの新たな変異遺伝子を見いだした。in vitroでの機能データと動物モデルを統合した解析から、これらの遺伝子異常が発がんに関与する可能性を裏付ける証拠が得られた。頻繁に変異を起こす遺伝子のパスウェイ解析は、膵管腺がんにおける中心的なシグナル伝達経路でのクラスタリングを示しており、それぞれの経路にある新たな変異遺伝子が同定された。また、従来は胚の軸索誘導の調節因子として知られる遺伝子に、高頻度で多様な体細胞変異が見つかり、特にSLIT/ROBOシグナル伝達は、マウスでのSleeping Beautyトランスポゾンによる膵臓がんの体細胞変異誘発モデルにおいても顕著であった。これらの体細胞変異は、軸索誘導遺伝子が膵臓がん発生に関与する可能性を裏付けるさらなる証拠となる。

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