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医学:gp41特異的なヒト抗体による有効範囲が広く強力なHIV-1中和
Nature 491, 7424 doi: 10.1038/nature11544
ヒトモノクローナル抗体の特徴の解析によって、広範囲なHIV中和が起こる機序がかなり見通されるようになってきた。本論文では、HIV-1のエンベロープタンパク質gp41の膜近傍にある外部領域(MPER)に特異性を示す抗体について報告する。10E8と名付けられたこの抗体は、今回調べたウイルスの約98%を中和した。78人の無症候性HIV-1感染者の血清の解析から、27%がMPER特異的な抗体を含んでおり、8%に10E8様の特異性を示す抗体が認められることが明らかになった。中和活性を示すほかのMPER抗体とは対照的に、10E8抗体はリン脂質に結合せず、自己反応性を示すことがなく、ウイルス表面のエンベロープタンパク質と結合した。完全長MPERと複合体を形成した10E8抗体の構造から、標的となる脆弱部位は、gp41の高度に保存された疎水性残基からなる狭いアミノ酸配列領域と、膜貫通領域の直前に存在する抗体認識に重要なアルギニンあるいはリシン残基から構成されていることが明らかになった。10E8に抵抗性を示すHIV-1変異体の解析から、これらの残基が中和に重要であることが確認された。高度に保存されたMPERは、強力で自己反応性のない中和抗体の標的の1つであり、このことはHIV-1ワクチンが、HIV-1のエンベロープ糖タンパク質の当該領域に対する抗体誘導をめざすべきであることを示唆している。

