Article
化学:ヘキサデヒドロ・ディールス・アルダー反応
Nature 490, 7419 doi: 10.1038/nature11518
アライン(炭素–炭素三重結合を形式上含む芳香族系)は、有機化学におけるすべての反応性中間体の中で最も汎用性の高いものの1つである。アラインが「捕捉」できた場合に生じる生成物は、医薬品、農薬、色素、ポリマーなどの精密化学製品に使われている。今回我々は、ヘキサデヒドロ・ディールス・アルダー反応によるベンザインのde novo生成と、ベンザインのin situ操作による構造の複雑なベンゼノイド生成物の生成とを組み合わせた手法について調べた。ヘキサデヒドロ・ディールス・アルダー反応では、1,3-ジインが「ジイノフィル」との[4+2]環化異性化にかかわって、非常に反応性の高いベンザイン中間体が生じる。この単純な熱的変換の反応条件は、金属と試薬を使用しない点が注目に値する。続いて生じる高効率の捕捉反応は、この反応過程全体の威力を高めるものである。さらに、このde novoベンザイン生成法によって新しい形態の固有反応性を明らかにできる例を示す。

