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細胞:DEADボックスヘリカーゼMss116pによるRNA二本鎖の認識と巻き戻しの構造基盤

Nature 490, 7418 doi: 10.1038/nature11402

DEADボックスタンパク質は核酸ヘリカーゼの最大のファミリーで、すべての生物分類ドメインを通じてRNA代謝に重要な役割を担っている。DEADボックスタンパク質には2個のRecA類似ドメイン[ドメイン(D)1とD2]からなる保存された「ヘリカーゼコア」が含まれ、これがATPを用いて短いRNA二重らせんを巻き戻すが、この触媒作用は連続反応性がなく、鎖の分離は局所的である。このような作用様式は移動性のヘリカーゼとは異なっており、そのためにDEADボックスタンパク質は巨大なRNAやRNA–タンパク質複合体を、大規模にRNA構造を破壊することなく再編成できる。しかし、この独特な二本鎖RNA巻き戻し作用の構造的な基盤は、まだ解明されていない。今回我々は、酵母のDEADボックスタンパク質Mss116pの構造解析、生化学解析、遺伝的解析を行い、ヘリカーゼコアドメインがモジュラー機能を持つことが、RNA二本鎖を認識して巻き戻す新しい仕組みを可能にしていることを明らかにした。D1とD2を個別に、また一緒にして調べることによって、D1はATP結合ドメインとして、D2は二本鎖RNA認識ドメインとして機能することがわかった。D2には核酸結合ポケットがあり、これはDEADボックスタンパク質の保存されている配列モチーフによって形成されていて、A形二重らせんは収容できるがB形は収容できない。これがRNA基質特異性の基盤となる。2つのコアドメインが合わさってATPアーゼ活性部位を持つ「閉じた状態」のコアが形成されるコンホメーション変化が起こると、D1中の保存されたモチーフが、D2に結合した基質である二本鎖RNAの一方のRNA鎖を押し出し、もう一方のRNA鎖を曲げることによって、二本鎖の巻き戻しが促進される。この結果は、DEADボックスタンパク質が二本鎖RNAを認識して巻き戻す仕組みの包括的構造モデルとなる。このモデルにより、DEADボックスタンパク質の機能の重要な特徴が説明される。またこのモデルから、ほかのRNAヘリカーゼ、DNAヘリカーゼの進化的に関連のあるコアが多様化して、異なった作用機構が使われるようになった仕組みについて、新たな見方が得られるだろう。

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