Letter
医学:構造ゲノミクスおよび機能ゲノミクスに基づくバーキットリンパ腫の病因と治療標的
Nature 490, 7418 doi: 10.1038/nature11378
バーキットリンパ腫(BL)は、大量化学療法で治癒が可能なことが多いが、こうした療法は毒性のために高齢者や発展途上国の風土病型BL患者には使用できないことから、新しい戦略が必要とされている。正常な胚中心B細胞は、BLおよび、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の両方の起源と推定されているが、遺伝子発現解析から、これらの悪性腫瘍は異なる発がん経路を介する可能性が示唆されている。BLは、先進国で診断される散発型、エプスタインバーウイルス関連風土病型、およびHIVに関連する病型に細かく分けられるが、これらのサブタイプが、同様の、あるいは異なる発がん機構を用いるかどうかは明らかでない。本論文では、ハイスループットRNA塩基配列解読およびRNA干渉スクリーニングを用いて、このがんを定義するがん遺伝子であるMYCと協調する、BLに不可欠な調節経路を明らかにする。散発型BL症例の70%で、転写因子TCF3(E2A)、あるいはその負の調節因子ID3に影響を与える変異が、TCF3への依存性を高めていた。TCF3は、BLにおいて生存促進作用を持つホスファチジルイノシトール3-OHキナーゼ経路を活性化し、その活性化の一部は持続性B細胞受容体シグナル伝達の増強によっていた。散発型BL症例の38%で、発がん性CCND3変異により、細胞周期の進行を推進する、非常に安定性の高いサイクリンD3アイソフォームが産生されていた。これらの知見から、BL患者の治療法を改善する機会が示唆される。

