Letter 細胞:PPAR-γは脂肪組織Treg細胞の集積および表現型を促進する主要因子である 2012年6月28日 Nature 486, 7404 doi: 10.1038/nature11132 この数十年、肥満と2型糖尿病は並行して著しく増加している。この2つに共通する主な因子の1つは軽度の慢性炎症である。長期間にわたる栄養過剰は、内臓脂肪組織(VAT)や、最終的にはほかの組織においても白血球の集積と活性化を促進し、インスリン抵抗性、2型糖尿病、脂肪肝などの代謝異常を引き起こす。炎症促進性マクロファージのVATへの浸潤は、脂肪組織の炎症やインスリン抵抗性を促進する主要な事象であると考えられるが、このような過程におけるほかの免疫系細胞種の役割についてはほとんど知られていない。最近、VATに常在する特徴的な制御性T(Treg)細胞の集団が、脂肪組織の炎症状態の制御を介してインスリン感受性に関与していることが示された。本論文では、脂肪細胞分化の「マスター調節因子」であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γが、VAT Treg細胞の集積、表現型および機能の重要な分子的まとめ役であることを明らかにする。意外なことに、VAT Treg細胞におけるPPAR-γの発現は、肥満マウスでのチアゾリジン系薬剤ピオグリタゾンによるインスリン感受性の完全な回復に必須であった。これらの知見は、チアゾリジン系という重要なクラスの薬剤のこれまでには明らかになっていなかった細胞メカニズムを示唆しており、また、特定の機能を持つ個別のTreg細胞集団を治療目的として正確に標的化できるという原理の証明となる。 Full Text PDF 目次へ戻る