Letter

宇宙:月の南極にあるシャクルトンクレーター内の揮発性物質分布に加えられる制約

Nature 486, 7403 doi: 10.1038/nature11216

シャクルトンクレーターは、月の南極点とほぼ一致している。その内部は直射日光をほとんど受けず、永久的な冷却トラップ領域であるので、シャクルトンクレーターは隔離された揮発性物質を探し出すための有望な候補場所となっている。しかしながら、衛星や地球上からの観測により今までに得られているレーダーマッピングや、人工衛星による光学画像からは、揮発性物質の存在について相反する解釈が得られている。ルナー・リコネッサンス・オービター搭載のルナー・オービター・レーザー高度計による観測結果から、シャクルトンは古くて際立ってよく保存された単純クレーターであり、その内壁が縁やクレーター底よりも新しいことが明らかになった。シャクルトンの底の堆積物は縁とほぼ同じ年齢であり、これはクレーターが30億年以上前に形成されてから、底への堆積がほとんど起こっていないことを示唆している。1,064 nmの波長では、シャクルトンの底面は周りの地形や近傍クレーター内部よりも明るいが、内壁と比べると暗い。総合した観測結果は、壁表面のレゴリスの滑落によってその下から出てきた物質があらわになったと考えればおおむね説明できる。クレーター底が相対的に明るいことは、日陰であるために宇宙風化が減少したとすれば、最も簡単に説明されるが、表面の氷を約20%含む厚さ1 μmの層の存在も、別の説明として可能であろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度