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物性:BaFe2(As1−xPx)2における構造相転移および超伝導転移より高い温度で生じる電子ネマティック性

Nature 486, 7403 doi: 10.1038/nature11178

電子ネマティック性は、電子集団が一方向性を持った自己組織化を起こし、基本格子の回転対称性を破ろうとする性質であり、これまで鉄ニクタイド系と銅酸化物系の高温超伝導体において観測されている。しかし、これら2つの系でこのネマティック性が同じように超伝導に重要な役割を果たしているのかどうかは、大きな論争となっている。鉄ニクタイドでは従来、ネマティック性は温度Tsにおいて起こる正方晶から斜方晶への構造相転移と関連付けられてきた。最近の実験でネマティック性を理解する手がかりが指摘されたが、それらの実験は、低温斜方晶相か一軸性ひずみがかけられた正方晶相のいずれかの状況下で行われており、どちらの場合も90°の回転対称性、つまりC4対称性が破られている。したがって、外部からの駆動力なしにTsよりも高い温度でネマティック性が存在しうるかは未解決の問題である。今回我々は、等原子価ドープ系BaFe2(As1−xPx)2の磁気トルク測定を行い、ネマティック性がTsよりもかなり高い温度で現れるだけでなく、磁気秩序を持たない超伝導領域まで広がっており、銅酸化物高温超伝導体の擬ギャップ相図に似た相図が得られたことを報告する。さらに、これらの結果をシンクロトロンX線測定の結果と組み合わせることによって、明確に異なる2つの温度を特定した。1つはT*であり、この温度で真の相転移であるネマティック転移が起こる。もう1つはTs (<T*)であるが、これは真の相転移ではなく、磁性理論でよく知られているメタ磁性転移との類推から「メタネマティック転移」と呼ぶものであることが明らかになった。

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