Letter

工学:マルチスケール・ギガピクセル写真技術

Nature 486, 7403 doi: 10.1038/nature11150

画素(ピクセル)数は、1個の検出素子がカバーする立体角に対するカメラ視野内の立体角の比である。解像可能な最小画素の大きさは開口直径に比例し、最大視野はスケールに依存しないので、回折限界画素数は開口面積に比例する。現在、デジタルカメラは、ミリメートルスケールの開口部に対し1〜10メガピクセルという基本限界付近で動作する。しかし、センチメートルスケールの開口部に対応して1〜100ギガピクセルという限界に近い画素数で動作するものはほとんどない。高画素数撮像を阻む障害として、スケールに依存する幾何収差、ギガピクセル・センサーアレイのコストと複雑さ、計算面や通信面でのギガピクセル画像管理の難しさなどがある。今回我々は、16 mmの入口開口部を用いて、毎分3フレームで1ギガピクセルのスナップショット画像を撮影するAWARE-2カメラについて述べる。AWARE-2は、並列マイクロカメラアレイを用いており、ギガピクセル撮像に伴う問題を、扱いが容易なメガピクセル撮像のレベルまで軽減する。従来設計のカメラは、レンズスケールが大きくなると、レンズスピードが遅くなり視野が狭くなる。しかし、マイクロカメラを使って最高50ギガピクセルを解像する撮像装置ではレンズスピードと視野がスケールに依存しない可能性を示唆したこれまでの理論的結果が、ここで説明した実験系を用いて裏付けられた。ユビキタス・ギガピクセルカメラによって、写真技術の重要な難問が、「どこにカメラを向けるか」から「どのようにしてデータを発掘するか」へと変わるかもしれない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度