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脳:皮質–基底核回路の潜在的スキル学習

Nature 486, 7402 doi: 10.1038/nature11078

ヒトは会話やダンスなどの複雑なスキルを試行錯誤しながら徐々に学習していく。この試行錯誤によるスキル学習には、皮質–基底核間神経回路が重要な機能を果たしているが、その解明は進んでいない。有力な「俳優–批評家」モデルでは、基底核回路が訓練中に多種の行動を作り出し、そのレパートリーの中で好結果の出る行動を実行することを学んでいく、と考える。今回、皮質–基底核回路の1つである前脳前部経路(AFP)が、訓練中の行動パフォーマンスのそのような「試験的」バリエーションに寄与していない場合でも、スキル学習には寄与していることを示す。ベンガルフィンチにさえずりを変更させる訓練でAFPの出力を遮断すると、通常であれば訓練中にこの複雑なスキルに起こる漸進的改善が阻まれる。しかし、訓練の後でAFP出力の遮断を解除すると、稚拙なパフォーマンスから優れたパフォーマンスへと急速に移行した。これは、AFPがスキルの訓練に寄与していなくとも、習熟したスキルを実行させられるだけの能力を、潜在的に獲得していたことを示している。対照的に、訓練中にAFPの出力神経核を不活性化すると、学習は完全に阻害され、これは、訓練中のAFP内部での活動が学習に必要であることを示している。我々の結果から、スキル学習の改訂モデルが示唆される。すなわち、基底核回路は、ほかの脳領域によって作られた行動バリエーションの結果を監視し、その脳領域がよりよい結果を生む行動を実行するよう仕向けることができるのである。AFPにほかの脳領域から生じる好結果のパフォーマンスを特定する能力があるということは、基底核がそれらの脳領域の運動準備活動の詳細な遠心性コピーを受け取っていることを意味する。また、AFPに、最初はほかの脳領域が作り出す好結果のパフォーマンスを実行する能力があるということは、基底核と、パフォーマンスを直接制御する運動領域との間に精密な機能的関連があることを意味している。

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