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計測:原子分解能の電子線トモグラフィーを実現する新しい手段としての「ビッグバン」トモグラフィー

Nature 486, 7402 doi: 10.1038/nature11074

これまで、標準的な電子線トモグラフィー法では、観測対象が完全結晶性ナノ物体で2〜3の晶帯軸に沿って画像化された場合を除き、原子分解能での画像化が不可能であった。その主な理由としては、電子顕微鏡を広い角度範囲にわたってサブオングストロームの精度で機械的に傾けるのが難しいこと、マイクロ電子デバイス中の誘電体層のように多くの実在物体には幾何的制約があること、タンパク質など放射線に敏感な多くの物体は総電子線照射線量が限られることが挙げられる。したがって、1回のみまたは数回の投影から三次元情報を推定できる新しいトモグラフィー方式が必要となる。今回我々は、個々の原子の観測面内の位置とそれらの垂直位置の両方を、1方向からのみの観測によってサブオングストローム精度で測定するのに使える電子線トモグラフィー法を示す。この構想は、実験的に再構成された出射波が、物体の個々の原子によって散乱された球面波の重ね合わせからなるという事実に基づいている。さらに、球面波のフーリエ成分の位相は、既知の「位相速度」で伝搬距離とともに増加する。原子が点状物体であると考えれば、各フーリエ成分の位相と位相速度の関係は線形で、したがって原子と観測面との距離は線形フィッティングによって決定できる。こうした見方は、宇宙は点状の起源から膨張しており、起点と銀河の距離は起点から遠ざかる速度に線形比例している(ハッブル膨張)というビッグバン宇宙論に似ている。この方法の概念実証実験が2層構造のグラフェンで行われた。窒化ホウ素や二硫化モリブデンなどの類似した層状物質でも、この方法はうまくいくと考えられる。

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