Article 再生医学:心臓の転写因子を用いた非筋細胞再プログラム化による心臓修復 2012年5月31日 Nature 485, 7400 doi: 10.1038/nature11139 哺乳類の成体の心臓には、損傷後の再生能力がほとんどない。心臓繊維芽細胞の活性化によって引き起こされる繊維症は、心臓の再生を阻害し、収縮機能の喪失、病的リモデリングおよび不整脈感受性の原因となる。心臓繊維芽細胞は心臓の細胞の過半数を占めており、心筋の細胞運命へと表現型を再プログラム化すれば、損傷後の心機能回復のための細胞供給源となる可能性がある。今回我々は、4つの転写因子GATA4、HAND2、MEF2CおよびTBX5が協同的に働いて、成体マウス尾部先端および心臓の繊維芽細胞を、in vitroで拍動する心筋様筋細胞へと再プログラム化できることを示す。これらの因子を分裂中のマウス非心筋細胞で強制発現させると、細胞は機能する心筋様筋細胞へと再プログラム化され、心筋梗塞後に心機能を改善し、有害な心室リモデリングを減少させる。今回の結果から、心臓内に存在する繊維芽細胞を心臓の転写因子などの分子を用いて再プログラム化することによって心臓を修復する治療戦略が示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る