Letter

物理:強く相互作用するフェルミ混合体における斥力ポーラロンの準安定性とコヒーレンス

Nature 485, 7400 doi: 10.1038/nature11065

相互作用が調整可能な極低温フェルミ気体は、強く相互作用する量子系の多体物理を研究する試験台となる。この10年以上にわたって、多数の興味ある現象が実験的に調べられ、基底状態の性質の正確な測定結果から、理論的記述の進展に対する判定基準が得られてきた。強い斥力相互作用を持つフェルミ気体の準安定状態は、刺激的な進展が見られる領域である。このような系の実現は、非常に難しい。なぜなら、原子量子気体における強い斥力相互作用は、弱く束縛された分子状態の存在を示唆しており、そのためにこの系は崩壊に対して本質的に不安定となるからである。本論文では、高周波分光法を用いて、6Li原子のフェルミ海と共鳴相互作用するフェルミオン40K不純物の完全な励起スペクトルを測定した。特に、明確に定義された準粒子が、強い斥力相互作用に対して存在することを示す。この「斥力ポーラロン」のエネルギーと寿命を測定し、また準粒子留数を測定してそのコヒーレンス特性を調べた。その結果は、我々の系における相互作用の有効距離が有限であることを考慮した理論方法によりうまく記述される。有効距離が粒子間隔のオーダーのとき、準粒子寿命が大幅に長くなることがわかった。このような長寿命で準安定な多体状態の存在は、極低温で斥力相互作用するフェルミ気体でのエキゾチックな量子相生成について興味ある見通しを与える。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度